たそがれ怪文書♨

いたたまれない思いの丈を怪文書にしたためます。

ゾンビランドサガリベンジはなぜ"無難に面白い"作品になったのか

昨日、ゾンビランドガリベンジが最終回を迎えた。

個人的に思うところもあったので、怪文書をしたためることとする。

 

ゾンビランドサガは2018年秋アニメとして放送された、いわゆるアイドルアニメだ。

しかしながら、放送開始までこれがアイドルアニメと知っている視聴者は少なかった。

作品の情報が放送までひた隠しにされていたからだ。

故に、この作品のクリエイターは誰も期待していない中で自分が面白いと思う作品を世に送り出した。

そのクリエイターが信じた荒唐無稽な設定と地に足がついたストーリーは、無名の新規タイトルとは思えないほどヒットし、爆発的な人気を得るに至った。

 

そして2021年春、十分な準備期間を経てゾンビランドサガは2期を放送した。

しかし、ゾンビランドサガは今や無名の作品ではない。

アイドルアニメだということは誰もが知ってるし、メインキャラクターがゾンビだという斬新な設定ももちろんバレている。

それでもそれはサイゲームスが送り出す最強の作品で、制作会社MAPPAの代表作だ。

 

失敗は許されなかった。

 

クリエイターが出した答えは『絶対に外さない弾を撃ち続ける』ことだった。

それは、サキのオリジンだったり、愛とアイアンフリルだったり、純子と愛の関係だったり、テレビで活躍するリリィだったり、山田たえの日常だったり、ゆうぎりの過去だったり、絶対に諦めないさくらの姿だったりして、視聴者の前に現れた。

1期で積み上げた”視聴者が見たいもの"を2期ではひたすらに映し続けた。

それ故に、視聴者の期待通りの面白さを発揮し、視聴者の期待を超えることなく作品の幕を閉じた。

かくして、ゾンビランドガリベンジは"無難に面白い"作品になったのだ。

 

ところで2期のラストシーンについて。

導入としては信じられないほど雑で、空いた口が塞がらなかったが、視聴者の度肝を抜いてやろうという気骨は感じた。

それは1期の頃にあったクリエイターのハングリー精神の現れだと思う。

2期で"視聴者が見たいもの"のほとんどは消化された。

もし3期をやるつもりであるならば、今度こそこの作品の挑戦になる。

その挑戦を心待ちにしている自分は、どうしようもなくゾンビランドサガという作品のファンなのだ。